自転車と自転車の交通事故

LINEで送る
Pocket

自転車同士の加害事故の特殊性

いわゆる交通事故で一方に自動車が関係する場合には、自賠責保険や任意保険、後遺障害認定基準や損害賠償算定基準や過失割合基準などが定立されています。

しかし、自転車同士または自転車と歩行者の事故では、明確な基準がなく、当事者間での交渉となり多くは厄介な事態に及ぶことが実情です。

「自転車同士=自転車加害事故」のケースの場合。

事故の状況については、当事者間で主張が異なることが多く、事実が不確定になることがあります。

まず、加害事故に遭ってケガをした場合には、必ず警察へ通報して人身事故として届け出て下さい。

また、ケガをされた場合はまず当院までお問合せ下さい。

重篤な怪我をされ、現場から救急搬送された場合には、親族や養護者の方が代わりに警察へ通報して下さい。

自転車同士であっても、警察に通報して所定の手続きを経ることで、その後、交通事故証明書を取得する事ができます。

この交通事故証明書から、事故発生状況報告書を作成することが必要になります。

また、その事故の目撃者がいましたら、ご協力のご依頼をして頂き、連絡先等を教えて頂いて下さい。

交通事故証明書の交付申請

交通事故証明書は事故発生を証明するもので、事故の発生日時、場所、当事者の住所、氏名、事故類型などが記載されています。

この証明書には、被害者と加害者の過失の割合については一切触れられていませんが、損害賠償請求に必要な書類の一つです。

申請用紙は最寄の警察署や交番にありますので、所定事項をご記入の上、最寄りの郵便局にて手数料540円を支払われると、1週間程度で手元に届きます。

また、最寄りの自動車安全運転センターへ出向いて申請された場合には,原則的には即日交付になります。

賠償資力の問題

事故によるケガは治療に専念できる環境を作る事が大切です。

まず、治療費については加害者が負担すべきものですので、その支払いを加害者に求める事になります。

加害者が自費で支払う場合以外にも、加害者が契約している損害保険よりその補償を得る為の手続きを加害者に求めて下さい。

その上で、ケガの治療に専念できる環境を作ることが大切になります。

一方、ご自身が契約されている損害保険からも補償を得られる場合がありますので、ご自身の契約内容を確認して、その後の手続きを進めて下さい。

加害者の賠償資力が無い場合には泣き寝入り。

仮に加害者にその資力が無い場合には、過失割合も賠償額の算定基準も後遺障害もあってないようなものです。

加害者の事故による賠償責任があっても、その賠償責任を果たせなければ、被害者ご自身が自費でまかなうしかありません。

したがって、加害者の賠償資力が、加害者自身の資力や加害者で付保している損害保険の有無を、加害者に確認させる事が最も重要です。

加害者に個人賠償責任保険等が付帯している場合には、賠償資力は担保され、その後は相手方の損保会社が窓口になります。

詳細については損害保険による補償にてご確認下さい

過失割合の問題

損害確定後の問題です。

事故による治療が終了した時点で損害が確定しますので、その後の損害賠償の示談における最大の争点になります。

認定基準はなく、類似の裁判例も乏しいのが実情です。

加害事故でも、自転車同士の事故と自転車と歩行者の事故とでは、お互いの過失についての考え方が違います。

事故態様は多様で、事案単位にて、その状況から被害者として主張すべきものになります。

詳細については加害者の責任・割合・自転車事故の過失割合にてご確認下さい。

後遺症と後遺障害の問題

治療期間3か月が分岐点です。

事故によるケガは95%の方が3か月以内に治るというデータがあります。多くの方は事故前の状態に戻ることができると思います。しかし、3か月過ぎても症状が残存する場合、後遺症の疑いがあります。

6か月以上の通院加療を経ても症状が残存している場合

事故のケガにより後遺症が残っても、その症状が後遺障害として認定されるかは別の問題になります。

後遺障害として認めさせる為には、医学的な立証を被害者側で行う責任があります。

詳細については自転車事故の後遺障害にてご確認下さい

損害賠償算定と示談の問題

事実認定が争いとなります。

当事者間では、事故態様による過失割合、損害の範囲と期間、賠償額の算定基準、過失相殺、ともすれば全てが争点となります。

自動車事故とは異なり、損害賠償の算定基準はありませんので、示談においても合意が形成できないのも実情です。

詳細については請求すべき賠償・被害者としての請求にてご確認下さい